水害で車が浸水してしまったとき、絶対にエンジンをかけてはいけません。
「水が引いたから動くかもしれない」「安全な場所へ車を移動させたい」とキーを回したりスタートボタンを押した瞬間、あるいはエンジン停止から数時間後に電気系統がショートし、車両火災(通電火災)を引き起こす恐れがあります。まずはキーを抜いたまま車から離れ、安全を確保してください。
【絶対厳禁】水没した車のセルを回してはいけません
外見上は乾いているように見えても、内部の配線やコンピューター、バッテリー周辺に泥水や塩分が残っています。通電した瞬間にショートして出火するだけでなく、エンジン内部に水が入った状態で始動するとピストンやシリンダーが瞬時に破壊(ウォーターハンマー現象)され、修理不能の全損に至ります。
水没した車のキーを回してはいけない2つの理由
浸水被害に遭った車両は、通常の故障車とは全く異なるリスクを抱えています。一見すると被害が小さく見えても、以下の2つの重大な事故が発生します。
1. 時間差で突然出火する「通電火災」の仕組み
水害時の水には、泥、土砂、汚物、あるいは海水(塩分)が含まれています。これらが電気配線のコネクターやバッテリーの端子部に付着すると、水分が乾いた後も導電性物質として残ります。そこに微弱な電流が流れ続けることで発熱し、被覆ビニールが溶けて突然発火します。
2. エンジンを全損させる「ウォーターハンマー現象」
マフラーやエアクリーナーからエンジン内部に水が侵入している状態でセルモーターを回すと、ピストンが水を圧縮しようとして極めて強い負荷がかかり、エンジンブロックが粉砕されます。
ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)が浸水した場合の注意点
数百ボルトの高電圧バッテリーを搭載しているため、オレンジ色の高電圧配線には絶対に触れず、変圧器周辺から離れてください。
公的指針:国土交通省「水没した車両の取り扱いにおける注意点」
キースイッチをONにせずロードサービス等に相談し、可能であればバッテリーのマイナス端子を取り外すことが推奨されています。
水没した車を発見したとき、最初にすべき3つの手順
【安全最優先】現場での初動チェックリスト
- キースイッチをOFFにし、キーを抜く
- 安全が確保できる場合のみ、バッテリーのマイナス端子を外す
- 浸水の深さを撮影し、保険会社やロードサービスへ連絡する
水没車に関するよくある質問
Q. マフラーの高さまでしか浸水していなくても危険ですか?
A. 危険です。床下の電気配線ハーネスが浸水しているケースが多いため、プロの点検を受けるまで通電は避けてください。
まとめ:焦ってキーを回さず、レッカー搬送を待つ
セルを回した一瞬の判断が車両全損や火災を招きます。キーを抜いて車から離れ、JAFや保険会社のロードサービスによるレッカー搬送を待つのが最も安全な選択です。
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